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日本代表の“ドイツ組”はW杯で輝くことが出来るか? 試練のシーズンで長谷部・岡崎らに求められること

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

攻撃ビジョンの向上が求められる細貝

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開幕戦からスタメン出場を果たしたヘルタの細貝【写真:原田亮太】

 もう1人、環境を変えて新シーズンを迎えるのが細貝萌だ。レンタル先のアウクスブルクでの成長を認められ、ドイツ屈指の名門レバークーゼンに招かれたが、守備のマルチロールとして重宝はされても、[4-3-2-1]というシステムとの相性もあり、本職のボランチではほとんど出番を得られなかった。

 チャンピオンズリーグの出場権を獲得したことで、チャンスが増えることは予想されたが、細貝が選択したのはアウクスブルク時代の恩師である、ルフカイ監督が率いるヘルタ・ベルリンへの移籍だった。

「ヘルタでもレギュラーが保証されているわけではない」と語る細貝だが、彼の特徴を良く知る指揮官のもとで、[4-2-3-1]のボランチを任され続ければ、日本代表にも大きなプラスになる。

 細貝が主な課題としてあげるのはパスの正確性と攻撃ビジョンだ。そうした要素の成長にはボランチのポジションで、常に出続けることが不可欠だ。技術が決して低いわけではないが、相手のプレッシャーを気にして、周囲の動きを冷静に観察できないことは、日本代表で主力になりきれない要因でもある。

 相棒のニーメイヤーやロニー、バウムヨハンら中盤の選手はもちろん、ディフェンスラインとも良い関係を構築して、攻撃面での貢献度もアップさせたい。チームの守備力はブンデスリーガの上位と比較しても高いものがあるだけに、攻撃力をどこまで積み上げられるかは首都クラブの躍進にもつながるものだ。

 14日のウルグアイ戦に向けた招集レターは受けたものの、木曜日に発表されたメンバーからは外れた。これは協会側の配慮もあったとされるが、細貝本人はプラスに受け止めて、開幕戦から第2節に良い流れを持っていきたい。

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