デルピエロ、小野伸二らスターが集結。豪州・Aリーグは本当に盛り上がっているのか?

小野伸二が移籍し、一躍注目を集めるようになったオーストラリア・Aリーグ。デルピエロら大物選手が集まり、活況を呈しているように見えるが、果たしてそれは本当なのか? 現地記者が実情をレポートする。

2013年08月12日(Mon)10時59分配信

text by 植松久隆 photo Taka Uematsu , Richard Luan , Nichigo Press
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小野伸二が移籍。盛り上がっているように見えるが…

小野伸二
試合直後、笑顔でホームのファンに応える小野伸二【写真:Taka Uematsu】

 小野伸二が活躍する豪州・Aリーグ。画面を通じて伝わった「盛り上がり」は果たして本物なのか?

 6月のW杯最終予選の日豪戦で帰国した折、「オーストラリア、盛り上がってますね」と沢山の人に聞かれた。その話題に触れられるたびに、YESともNOともつかぬ「まぁ、そうですかね」という返答でお茶を濁すしかなかった。というのも、本当にオーストラリアのプロリーグであるAリーグが盛り上がっているのか、自分でも断言しきれなかったからだ。

 Aリーグの総観客動員数が4季連続で伸びているのも事実だし、サッカー文化の底辺を下支えする草の根の競技人口も増加の一途をたどっており、サッカーという競技のこの国でのポテンシャルが高いのは間違いない。

 Aリーグも年を経るごとに、運営面やレベル面などで充実してきてはいるのだが、Jリーグという偉大なアジアの先達を仰ぎ見る時、まだまだ未熟――これが現地でAリーグを追う身の率直な感想だ。

 しかし、日本から見るとそうは見えないようだ。確かに、「小野、デルピエロ、ヘスキー、キューエル…」といった固有名詞が、断片的なAリーグ情報を伝える専門誌やウェブで踊れば、「好調なリーグ→大物選手獲得→大盛況」という図式を想起する人が多くなるのも致し方ない。

 しかも、日本のファンの場合は小野伸二を通して、Aリーグひいてはオーストラリアのサッカーを理解するわけで、そういう捉え方の齟齬が生じるのも避けられない。というのも、小野伸二のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)は、サッカー熱の非常に高いエリアにようやく誕生したクラブで、設立初年度から熱狂的なサポーターがスタジアムを埋め尽くした。

 その熱狂の中での小野の活躍を切り取った映像を通して伝わるAリーグ像が、「オーストラリア、盛り上がってんじゃん」というイメージを増幅しているのであろう。しかし、残念ながら、それはAリーグの本質を映し出しているとは言い難い。

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