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バルサU-12圧勝にはワケがある。リバプール・コーチが指摘する日本の育成現場に欠けていること

text by 永田到 photo by junior soccer editorial staff

選手として真の成長を促すために

「選手には負けたくないという気持ち、勝ちたいという気持ちは必要だと思います。ただ我々コーチ陣が『この試合は勝つべきだ』とけしかけるのではなくて、子供たち自身の自発的な感情から芽生えていくべきものだと思います」

 U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジをレポートしたサカイクの記事では、大会結果レポートの中で、次のような記載が見られた(以下、一部転載)。

「特にバルセロナは東京都U-12がラインを上げたのを確認すると、選手たちが自ら判断してDF背後のスペースにロングパスを入れる対応に即座に切り替えてきます」

 同レポートではまた、バルセロナの選手陣による対応力の高さについて、元日本代表・都並敏史氏からの「サッカーを本質的にわかっている」というコメントも掲載されている。

「大人と子供」という上下の関係性ではなく、「コーチと選手」という対等な関係性の中で、選手自身の自発性を促進していくというイングランドの育成。

 今回浮かび上がってきた、プレーの選択肢を『多く発見する』『最適なものを判断する』『素早く実行する』という課題は、こうした育成スタンスの中でこそ改善され、都並氏が言及したサッカー競技に対する本質的な理解と、選手としての(そして一人の人間としての)真の成長へとつながっていくのではないだろうか。

【了】

関連リンク

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