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今明かされる、かつてガーナ代表対日本代表との試合で行われた八百長

text by 植田路生

日本は無関係。しかし…

 この試合、日本は敗退が決まっていたが、モチベーションを保ち勝利を目指して戦っていた(ように見える。TVでの観戦ではそう感じた)。前半37分に大久保嘉人のゴールで先制点をあげ、そのまま逃げ切った。

 八百長はサッカー賭博が絡んで行われる。賭博自体は日本のtotoのように公的に認められているものが多いが(当然、闇賭博もある)、八百長をすることで、フィクサーは大金を手にすることが出来る。たとえば、人気のない(勝つ見込みが少ないと多くの人が予想される)チームに賭け、そのチームを勝たせれば――という具合である。

 ガーナは勝ち抜けに有利な状況にあった。2試合を終えて2位、しかも最終節は消化試合となった日本だ。当然、オッズはガーナの勝利、もしくはガーナの勝ち抜けに傾く。

 ヒル氏は「日本は八百長に関わっていない」と断言する。しかしながら、八百長は行われてしまった。これは日本代表が純粋に勝利を目指して戦った試合が汚されてしまったことを意味する。

 もちろん選手たちの努力やコーチ陣の奮闘が消えるわけではない。今後のサッカー人生の大きな糧となる。だが、はじめから勝利が決まっていたなら、この試合へ向けての分析、当日のハードワーク、厳しいポジション争い……そのすべてが虚しいものになってしまう。

 悲しい現実だが、これは事実だ。10日の試合も世界各国で賭けの対象になっている。ガーナ代表は17人で来日し、エッシェンやボアテングらは帯同していないが、真剣に試合に臨んでくれることを切に願う。

【了】

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