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アジア 11年前

給料未払いがある一方でスター選手には年俸数千万。日本人関係者が語るタイのサッカー事情

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

ヨーロッパを見る真野氏の野望

 タイプレミアリーグは来シーズンから外国人枠を現行の1チーム7から5へと削減する方針だ。もし実施されたらエージェント業務にも影響を与えそうだが、真野氏の見方は違う。

「そうなったら本当に良い外国人選手しか残らなくなる。ただ、外国人枠が減ったとしても、減らなかったとしても、次のステップに移ろうと思っています」

 彼が考えているのは、日本からタイへ、だけではなく、ヨーロッパへの流れを作ること。そのステップとして東欧のモンテネグロを考えている。

「モンテネグロはヨーロッパのトップリーグのマーケットも目を付けている。ドイツ2部へ移籍した日本人選手もいます。ドイツなら2部、3部でもタイのプレミアリーグ以上の環境が整っている。そこで活躍してから東南アジアに来れば、選手としてヨーロッパで成長できるし、実績でフィーも上がる。選手寿命をより延ばすこともできます」

 あくまで今後も事業はタイに特化させていく。真野氏が掲げるテーマは、“タイと日本のフットボールマーケットの活性化と融合”だ。

「タイのリーグが盛り上がり始めたのはここ3年ほどで、日本とはまだマーケットの規模、成熟度が違う。でも、サッカー熱の高まりや近年のレベルアップ、物価の安さ、地理的条件など、選手にとっては日本にはない大きな魅力がタイにある。タイのマーケットを活性化させることで、日本のマーケットと融合させ、アジアのレベルアップ、ひいてはW杯の優勝につなげたい」

 壮大な目標に向かって今、動き出している。

【了】

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