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クリロナとベイルはレアルで共存出来るのか? “百万長者タンデム”活躍のカギを握る二人の選手

text by 山本美智子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

エジルが移籍し、カギを握る二人の選手

 ベイルとロナウドとの共存については、鍵を握るのはイスコと言われているが、もう一人、中盤と前線をつなぐディ・マリアも大きな役割を果たすことになるだろうと思われる。

 ロナウドいわく「頭の先からつま先まで僕のことを一番理解してくれていた」と高く評価していたエジルの放出で、ロナウドが自分のゴール量産のために、最も必要としていたパサーが今季からいなくなった今、イスコ或いはディ・マリアにラストパサーとしての役割が望まれるところだろう。この役割をベイルが担うことになるとは、考え難いからだ。

 ディ・マリアはトップ下、攻撃的MF、サイドアタッカーなど複数のポジションでプレーできる器用さを持ち合わせており、アンチェロッティ監督も、そんなディ・マリアを状況によって使い分け、左右両サイドで起用している。ディ・マリアが両サイドに開くロナウドとベイルのつなぎ役としてのキーマンになるのは、十分考えられるだろう。

 つい、最近、マドリーのバルデベバス練習場でも、ベイルがボールを使ったパス回しゲームで、ロナウドをからかう様子がニュースになった。

 例え、練習でもロナウドに恥をかかせるようなふざけ方をするチームメートは、なかなかいないが、悪気はなかったというベイルがロナウドからパスを奪い取るなどをしてみせたのは、他のチームメートに新参者の自分の実力を見せつけるためだ。

 その反面、評判以上にフレンドリーな性格のベイルは、早くもチームメートとなじんでいる様子が日々、報じられている。競争心が強く負けず嫌いのロナウドのこと、自分以外にも注目される選手が来たとあって、昨年以上に張り切ってくれることだろう。

 ベイルの体調が本調子に戻ること、マドリーのプレーシステムの確立、ディ・マリア、イスコのエジル的役割への適応、この3点がロナウドとベイルの共存を成功させるための最初の突破口になるだろう。

【了】

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