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日本代表 11年前

なでしこが41人もの選手を招集した理由とは? 疲労考慮だけでない佐々木監督が伝えたい強いメッセージ

text by 馬見新拓郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

高校選手権にも足を運ぶ佐々木監督

 日本の女子サッカー選手は、日中の勤務を終えてから夕方や夜に練習に向かうのがほとんどだ。日々の仕事や練習をこなしながら、さらなる向上心を『持ち続けること』が簡単ではないことは、サッカー選手ではない私たち社会人でも想像に難くない。

 だが日本のトップリーグにいながら『大好きなサッカーを続けられるだけで満足』という選手ばかりでは、なでしこの進化は確実に止まる。佐々木監督は日本中に、もう一度世界一を目指そうと告げているのだ。

 選手が世界を意識するのならば、自身の現在のサッカー環境をより良いものにするべく、より条件の良いチームへ移ることにもつながるかもしれない。それは個人の競技力を高めるだけでなく、各チームが選手の環境・待遇を向上させるための動機づけにもつながる。選手のオフシーズンの過ごし方にも変化が出てくるだろう。

 なでしこは来年5月に、2015年の女子W杯(カナダ)への予選を兼ねた、AFC女子アジアカップ(ベトナム)を控えている。佐々木監督はなでしこリーグ、チャレンジリーグだけでなく、今年1月には、磐田市で行われた全日本高等学校女子選手権にも足を運んでおり、常に新たな才能の発掘に貪欲だ。

 8月に佐賀で行われた全国高等学校総合体育大会(インターハイ)には、なでしこの前田信弘GKコーチの姿があった。

 今回の合宿に招集された41選手だけではなく、その他大勢の選手にも世界への扉は常に開かれているとも明記しておきたい。

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