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内田篤人の1on1を徹底分析。世界で戦えるサイドバックの“個の力”とは?【前篇】フィジカルは1日にして成らず!

text by 河治良幸 photo by editorial staff , Asuka Kudo

重心が中央にあれば、当たり強さが増す

藍澤:そういう部分が内田選手は優れているんですか?

藤間:内田選手がスピードに秀でた選手だってことは皆さんご存知だとおもいますが、ただ速いというだけではなくて、トップスピードになっても重心がブレないから、競り合っていたり、ギリギリ届くかどうかと言う様なボールであっても正確なプレーが出来る。

 ブレない、重心が中央にあるという事は、例え背が小さかったり細かったりしても、当たり強さを増すことも出来るんです。それこそメッシなんてあんなに小さいのにヨーロッパの大きな選手の中でも飛ばされる事がないですよね。これは、重心を中央に置いて安定しているから、ということになります。

1on1内田の徹底分析
内田はトップスピードになっても重心がブレない【写真:編集部】

 例えば質量が同じ棒と円錐があったとして、その二つをぶつけた時に倒れるのはどちらでしょうか?

藍澤:棒の方が倒れます。

藤間:円錐は重心が下の方にあって安定しています。これと同じことが人の身体にも言えるわけです。

 静止している場合、両足を肩幅ぐらいに開いて腰を落とす姿勢であれば、横や後ろから押されても持ちこたえられますよね。対して“気を付け”の姿勢だと、ちょっと押されるとバランスを崩してしまいます。これがさっきの円錐と棒の関係という事です。

 ならずっと腰を落としておけばいいじゃないかって話なんですが、サッカーでは静止しているわけではなく、常に動いています。走ったりターンしたりドリブルしたりジャンプしたりトラップしたり。

 そのとき常に重心を中央に置いておくというのはすごく難しい事で、トレーニングをしっかりしないと出来ません。外国人の選手だとトレーニングしなくてもそういう動き方が出来る選手もいますが、日本やアジアの選手ではそういう選手は殆どいないですね。

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