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内田篤人の1on1を徹底分析。世界で戦えるサイドバックの“個の力”とは?【前篇】フィジカルは1日にして成らず!

text by 河治良幸 photo by editorial staff , Asuka Kudo

1on1で負けないフィジカルとは?

藍澤:本日の1on1フットボールTVは、日本代表の右サイドバック、内田篤人選手の1on1について掘り下げて考えていきたいと思います。

 今回は1on1を考えるにあたって、「フィジカル」、「ポジショニング」、「テクニック」の3つのテーマで考えていきたいと思います。まずはフィジカルについて。藤間さん、内田選手はどちらかというと屈強なフィジカルというイメージはないですよね?

藤間:そうですね。フィジカルというと例えば中澤選手とか闘莉王選手とか、相手に競り負けない、という事をイメージされる方が多いと思いますが、フィジカルには様々な要素があります。

 もちろん足の速さもそうですし、一口に足の速さと言っても1歩目の速さなのかターンの速さなのか加速力なのかによって違います。

 例えば1メートル先にボールがあって、それに届くかどうか。1メートル先のボールを一人は体を投げ出さないと触れないのに対して、もう一人は体の重心を真ん中に残したまま触れる場合なら、前者が先にボールに触れたとしても体を投げ出してしまっているので、蹴り出すぐらいの事しかできないですが、後者は重心を残したままボールに触れればそれをコントロールできる。どちらが有利かは言うまでもないと思います。

 仮に体を投げ出した方の選手が先に触ったとしても、重心が崩れているのでしっかりとしたクリアやパス、ボールキープは難しいですよね。蹴り損ねて再びイーブンの状態のボールになったとしたら、重心が残っている選手の方が確実にボールに早く近づいて自分のボールに出来る。

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