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本田圭佑 11年前

本田は不調から脱したのか? CSKAを勝利に導いた高い貢献度と今後の課題

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

まだ改善の余地があるプレーの質

 しかし、本田がコンフェデレーションズカップや怪我の影響もあり出遅れたのも事実。コンディションはパーフェクトではないだろう。そこは試合を重ねていきながら高めていかなければならない。

 また敢えて本田のプレーに、課題を見つけるならFWアフメド・ムサとの関係性に改善の余地があることだ。

 スピードがあり、裏に抜けるプレーを得意とするこのナイジェリア代表FWとのプルゼニ戦のパス交換はわずか9本。しかもそのうちアタッキングサードでのパスはわずか2本しかなかった。

 もちろん本田は少し低い位置まで下がってきて、試合を作ろうとするプレースタイルにあるのを考慮すれば、FWとの距離感が遠くなり、パス交換が減ってしまうのはある程度仕方がない。

 とはいえ、チーム全体が押しあがって、相手のボックスの侵入を試みている時、もう少し近い距離感でプレーし、少ないタッチでパス交換しながらシュートに持ち込もうとする連動はもう少し多い方が良いだろう。トレーニングや試合を通じてコミュニケーションをしっかりととり、ポジショニングやパスのタイミング含めて、改善していくべきだ。

 今夏の移籍期間中に、ビッグクラブへの移籍を決める事が出来ず、モチベーションを保つことが難しい状況にあるのかもしれない。しかし、終わってしまったことを振り返っても仕方がない。冬の移籍マーケットが開くまでの残り3ケ月の期間、ベストのパフォーマンスを披露し、より良いチームへ、より良い待遇の契約を手にして欲しいものだ。

【了】

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