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もう一つの“ゴールデンエイジ”における問題点から検証。なぜ日本で優秀なGKが育たないのか?

text by 舩木渉 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Footballchannel , Kenzaburo Matsuoka

プロの試合を生観戦しなければわからないこと

 読者の皆さんは「Jリーグ観戦者調査」なるものをご存じだろうか。これは毎年Jリーグを観戦に来たお客さんにアンケートを取り、その動向をまとめたものである。これを読んだことのある方ならお分かりになるとは思うが、観戦者全体に対して子供の割合が少なすぎるのだ。

 アンケートに答えるのは主に大人で、子供が書かないからだろうとお思いかもしれないが、実際にJリーグの会場に行くと、小学生くらいの子供の数は予想以上に少ない。原因としては、子供たちは週末にサッカーを観るのではなく、やっているから、ということなのだろう。本当にこれでいいのだろうか。

 子供にとってサッカーを生で観ることもトレーニングの重要な一つである。Jリーガーは当然プロ選手である。プロ選手は小学生にはできないプレーを簡単にこなす。

 ただ、“ゴールデンエイジ”にある小学生は生で観て刺激を受けたプレーをいざ実際にやってみると、他の年代の子供には難しいのだが、意外とできてしまう。まさにこれが“ゴールデンエイジ”の力である。その材料を身近に提供してくれるのがJリーグであり、プロ選手なのである。

 特にGKはテレビ中継にはなかなか映らないため、プロの選手が試合中どんなことをしているのか想像しづらい。しかし生で観戦すればピッチ全体を見渡せ、GKが何をしているのか、どんな声をかけているのか、自分のプレーにどうやったらいかせるかすべて答えが見つかるはずである。

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