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天皇杯で形骸化していたベストメンバー規定が“ようやく”見直しされることに

今週は全国各地で天皇杯3回戦が開催されたが、この時期の天皇杯といえばリーグ戦も終盤に差し迫り、各チームともスタメンの構成に苦心するもの。

text by 編集部

天皇杯で形骸化していたベストメンバー規定が“ようやく”見直しされることに
日本サッカー協会内にある天皇杯公式ホームページ

 今週は全国各地で天皇杯3回戦が開催されたが、この時期の天皇杯といえばリーグ戦も終盤に差し迫り、各チームともスタメンの構成に苦心するもの。

 サッカー界ではリーグ戦やナビスコ杯、天皇杯などにベストメンバー規定なるものが適用されるためになおさらだろう。この規定の詳細は以下の通り。

1.Jクラブは、その時点における最強のチーム(ベストメンバー)をもって前条の試合に臨まなければならない。

2.第40条第1項第1号から第3号までの試合における先発メンバー11人は、当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならず、詳細に関しては「Jリーグ規約第42条の補足基準」によるものとする。(詳細は省略する)

 ベストメンバー規定の趣旨は「その時点の最強チームで戦ってくれ」といったものだが、そもそも“最強チーム”とは何をもってして最強なのか、という無数の答えが用意される事態となってしまい、それゆえにリーグ側と各チームの解釈に齟齬が生まれるのは当然だった。

 たとえば、来季を見据えて少しでも若手を起用しておきたいという現場の考えも当然ながら尊重されるべきで、そんなデリケートなチーム事情をリーグ側がルールで縛れるものではないことは明らかだろう。

 そして、天皇杯ではこのルールがもはや形骸化していた。

 ベストメンバー規定を破った場合の罰則規定は、2000万円以下の罰金、リーグ戦の勝ち点剥奪、などだが、これらの罰則が天皇杯には適用されないためだ。

 そのため、直前のリーグ戦から大胆にスタメンを入れ替えて天皇杯に臨むチームがむしろ多数派になっており、もはや天皇杯におけるベストメンバー規定は形骸化していた。

 今後どのように規定の見直しがなされるのかはまだ定かではないが、これで各チームが胸を張ってスタメンを入れ替え、“その時点でチームにとってベストと言えるメンバーで戦える”ことになりそうだ。

【了】

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