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日本とタイ、両国で代表GKコーチに。加藤好男が見たタイサッカーの現実と課題

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa

目標はアジアのベスト4

日本とタイ、両国で代表GKコーチになった加藤好男
タイ代表GK・シンチャビンチャイ【写真:長沢正博】

 かつてはアジアの強豪として名をはせたタイも、現在(10月15日時点)ではFIFAランキング139位、アジアの中で20位に甘んじている。南アフリカW杯という世界の舞台をGKコーチとして経験した加藤氏は次のように展望する。

「日本代表とタイ代表は、単純比較できません。環境が違えば、立ち位置も違う。日本はアジアのトップで、タイはどうやってランキングを一つでも上げるか、そういう立場にある。

 以前、協会の関係者から“アジアのベスト4を目指している”という話を聞いたことがあります。ベスト4というのはW杯に出場できる。アジアのベスト4に入ることが、恐らくタイの立ち位置の中で最大の目標だと思う」

 現在、加藤氏はAFCとFIFAのアジア地区のGKインストラクターを務め、タイやブータン、香港でGK指導者向けに資格講習会を開催するなど、アジアのGKのレベルアップのために精力的に活動している。

「アジア全体を見た時に、どちらかというとクロスの対応が課題なんです。どこがキャッチング、あるいはパンチングのポイントなのか、処理できる自分の高さを認識していない。高さに対して、自分のハイエストポイントを持っていないんです。

 だから毎回プレーが異なる。サッカー先進国のGKは自分のプレーエリア、空間の認知もそうですけど、自分の高さ、身体能力ならどの高さで掴むか、弾くかの判断が的確なんです」

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