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日本とタイ、両国で代表GKコーチに。加藤好男が見たタイサッカーの現実と課題

タイ代表のコーチに日本人が就任した。元日本代表で、代表コーチも務めたこともある加藤好男だ。実際に指導してみて、代表チームの課題をどう分析したのか。本人にインタビューした。

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa

自分の意志とは関係なく代表コーチに

日本とタイ、両国で代表GKコーチになった加藤好男
タイ代表のGKコーチに就任した加藤好男【写真:長沢正博】

 多くの日本人選手がプレーするタイで、ついに日本人の代表スタッフが誕生した。元日本代表GKコーチの加藤好男氏が、タイ代表のGKコーチに就任したのだ。加藤氏は2011年からタイプレミアリーグのチョンブリFCでGKコーチを務めており、これまでの実績が評価されての抜擢だった。

 タイは、ドイツ人のシェーファー前監督のもとでアシスタントコーチを務めていた元タイ代表のスラチャイ氏が今年8月に新監督に就任。それに伴うスタッフの入れ替えで加藤氏が代表GKコーチに選ばれた。

「話を聞いて驚いたと同時に、責任というのも感じました。その国を代表するということは、選手であっても、指導者であっても目標なので、そういう意味で責任と同時にやりがいも強く感じましたね」

 就任に至るまでのエピソードが、いかにもタイらしい。

「9月にU-23タイ代表とチョンブリFCの練習試合があって、スラチャイ氏が視察に来ていた。どうもその時にチームに打診があったようで、後でクラブから“こういう話があって、クラブとしては承諾したので行ってきてください”と言われた。自分の意志とか関係なかった(笑)」

 今回の代表スタッフに外国人は加藤氏だけ。もちろん、ミーティングはほとんどタイ語で行われる。「監督と何人かのスタッフが英語を話せるので、要点だけ僕に英語で説明してくれますけど、結構きついですよ」と苦笑するが、「すべてが自分自身の経験、試練だし、逆にそういう中で自分がどういう仕事ができるか」と意欲を燃やしている。

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