ガンバ再建のビジョン――長谷川健太が語るチーム改革論

2012年、J2に降格したガンバ大阪の再建を託された長谷川健太監督。指揮官が掲げる改革のビジョンとは、どのようなものか? 監督としての哲学とともに、これまでと合わせて話を聞いた。

2013年10月23日(Wed)10時41分配信

text by 西部謙司 photo Kenji Yasuda
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【フットボールサミット第15回】掲載

「ガンバのサッカーは変えてはいけない」

――監督就任前、ガンバ大阪にはどんな印象を持っていましたか?

長谷川 点をとるけれども失点が多いという印象ですね。

――実際に監督に就任されて、新たな発見はありましたか?

長谷川 試合に出ている選手だけでなく、出ていない選手も力があるなと思いました。

――チームをどうハンドルしようと思われましたか。

長谷川 まず失点を減らさなければならない。一方でガンバのサッカーは変えてはいけない。ストロングポイントを残しつつ、弱点をどこまで埋めていくか。試合ではボールポゼッションが当然高いわけですが、その中でいかにリスクマネージメントをするかですね。

――失点の原因はどういうところにあると考えていましたか?

長谷川 何ともいえないところがあるのですが、攻撃でも守備でも歩いている選手が多いなとは思っていました。

ガンバ再建のビジョン――長谷川健太が語るチーム改革論
長谷川健太監督【写真:Kenji Yasuda】

――チームをステップアップするためにポイントになるのは?

長谷川 切り替えですね。切り替えを早くすれば戻る距離も短くなるので、そのぶん攻撃でパワーを使える。カチッとブロックを作って守るのはガンバには向かないので、ボールを失った後の切り替えを早くすることがポイントになります。

 チームには「やられたら、やり返す」というマインドがあり、あまり守りから入ると、選手がストレスを感じるのではないかとも思ったので。

 しかし、やるべきことはやらなくてはいけない。相手に寄せて止まるとか、しっかりついていくといった守備の個人戦術をあまり教えられてこなかった選手が多いとも感じました。だからJ2に落ちたんだという指摘はしました。

――改善はできましたか。

長谷川 どうなんでしょう、良くはなっているのではないですか。

――J2とJ1の違いは感じますか。

長谷川 どの試合も相手が120~150パーセントぐらいの力を出して向かってきますから、そういう難しさはありますが、大きな違いはないでしょう。

――J2ではガンバの良さを抑えようとするチームも多いのでは?

長谷川 その中でも自分たちの良さを貫いてくるチームが多いですね。監督の色、チームの特徴を出してきて、むしろ守備一辺倒のチームはほとんどない。

――日本代表の遠藤、今野がチームを留守にすることも多いのですが、その影響はありましたか?

長谷川 ないとは言えません。しかし、他の選手は「代表がいないと勝てない」と言われたくないので頑張ったところもあります。2人に関しては、代表とは違うポジションでプレーすることもあったので、戸惑いは彼らにもあったかもしれません。最近は代表のポジションのまま起用していますけど。

――今野をボランチに起用したのはなぜですか?

長谷川 なぜ……チーム事情です(笑)。

――どのような(笑)。

長谷川 遠藤と今野を並べたら攻撃面で楽しくなるかなと。今野にはシーズン前に両方やってもらうという話はしていました。

――監督としてはボランチとセンターバック、どちらの選手だと考えていますか。

長谷川 どちらもスーパーだと思います。今野が2人いたら2人とも使います。

――遠藤はボランチとトップ下で起用しましたが。

長谷川 トップ下でやったら凄いのはわかっていたので、チーム事情でやってもらいました。

――2人への要求は?

長谷川 チームとしてやるべきことをやってくれということです。約束事です。

――例えば?

長谷川 オープンにできません。

――切り替えを早くとか?

長谷川 切り替えは、早いですね。

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