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CLよりも上? バルサ対レアルの“クラシコ”が世界で一番盛り上がる理由

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta

なぜ17分に一斉に声が上がるのか

 カンプ・ノウのスタンドという、世界中が注目し、あらゆる国で放映されているであろう、FCバルセロナのホームゲームだということを十分認識した上で、人々はバルセロナを首都としたカタルーニャ州のスペインからの独立を、画面を通して世界に訴えているのだ。

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カタルーニャ州のスペインからの独立を世界に訴えている【写真:Rafa Huerta】

 歴史的にカタルーニャには自治権があった。詳細は専門家に任せるとして、簡単に言えば、カタルーニャが陥落したのが1714年であり、当時の国王陛下フェリペ5世が中央集権を目指し、カタルーニャから自治権のみならず、カタルーニャ語の禁止、弾圧などを決めたのが全ての因縁の始まりだ。

 マドリーは中央集権の象徴であり、その後、近代からレアル・マドリーは歴史的に中央政府が溺愛してきたクラブであった。現在は、過去とは一線を画しているというものの、民衆の感情というのは、そう簡単に変わらない。

 その1714年の出来事をきっかけとし、ちょうどそれから300年が経過した今、カンプ・ノウで前半17分(正確には17分14秒を意味している)に人々が「当時取り上げられた自治権を返却しろ!」と声をあげているのだ。

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