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“奴隷”から解放されたバルサ。クラシコで進化を見せることができるか?

text by 北村敦 photo by Kenzaburo Matsuoka , Rafa Huerta , Ryota Harada

進化を象徴する存在のネイマール

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チーム唯一の新戦力であるネイマールだ【写真:松岡健三郎】

 とはいえ、バルセロナの最大の武器が、シャビやイニエスタを中心としたショートパスによる組み立てであり、メッシの能力を生かした崩しであることに変わりはない。マルティーノ監督もそのことは十分に理解しており、「様々な戦い方ができるようにしたい。だが、スタイルを変えるつもりはない」と繰り返している。

 これらコメントから読み取れるのは、今シーズンのバルセロナが、特定の選手や戦術に対する依存を“過度”から“適度”に調節することで、“ティキ・タカ”を最大限に発揮できるフットボールへの進化を遂げようとしていることだ。

 そして、この進化を象徴する存在として期待されるのが、チーム唯一の新戦力であるネイマールだ。このブラジル人ストライカーは、期待に違わぬ才能と予想を上回る献身でチームメイトのゴール増加を演出するなど、メッシとは異なる色で攻撃を牽引している。

 同時に、レアル・マドリー寄りのメディアがダイビングの多さを非難し、バルセロナ寄りのメディアが受けるファウルの多さを強調するという論争も引き起こしているネイマールだが、それもメッシと並ぶ軸になり得る選手として大きな注目を集めている証だろう。

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