日本では知られていないクラブを支えるコミュニティ。ドイツで一般的な“フェライン”とは?

 現在、ブンデスリーガ2部フォルトナでフロント勤務する瀬田元吾氏。日本に緊急帰国をし、浦和で「Jリーグの理念を実現する市民の会」の講師として登場した。講義のテーマは「なぜブンデスリーガは熱狂に包まれるのか」。ドイツの後援会について語った。

2013年10月31日(Thu)6時00分配信

text by 編集部 photo Ryota Harada
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ブンデスリーガのフェラインとファンクラブの違いとは?
フォルトナのファンクラブは100を超える【写真:原田亮太】

 フォルトナのファンクラブは100を超える。

 ファンクラブはクラブに申請をして認めるとロゴを使用できるようになる。サポーターはサポーターで組織されていくのだ。

 ゴール裏のチケット販売はサポーターズクラブに任せられており、彼らが管理して販売もしている。「うちのサポーターズクラブには5人いるので5人分の年間シートをよろしくお願いしますね」という具合にだ。

 日本でいうとクラブの後援会に該当するかもしれない。

「一方でフェラインはクラブの中にあるもの。会員一人ひとりがクラブのファミリーの一人。年会費も払ってもらうのですが対価はほとんどありません。

 クラブのアイデンティティを買ってもらうということです。メンバー一人ひとりがクラブに意見する権利を持つようになります。年に1回か2回の会員の総会があって、極端な話でいえば、変な経営をしていようものならクラブの会長を引きずり下ろすこともできる。

 逆に言えば、それだけ会員の一人にはクラブに責任をもってもらう。フェラインとクラブはそういう関係にあります。もちろん、ファンクラブであってもクラブに意見を届けないといけないと思いますが、そのファンのひと言で会長が引きずり降ろされるようなことはありません」

 フェラインはクラブにとって唯一オンリーワンのものだ。

「バルサのソシオが一般的に日本にも認知されていますが、日本人にはソシオの本当の意味がいまいち伝わっていないとも感じます。ソシオもフェラインの考え方に通ずるものですが、フェラインは欧州ではスタンダードなもの。

 ドイツのスポーツクラブすべてがフェラインです。フェラインは日本語で協会を指します。同じ志を持ったものが集まって一つのコミュニティをつくる。これをフェラインと表現している。

 ドイツのサッカークラブのすべてに『EV』がついているのですが、これは目的をもった協会という意味になります。すべてのクラブが協会という意味です。

 一方、クラブには併設している運営会社があります。これは一般的にいう会社ですね。この会社は営利団体なのでクラブを通じてお金儲けをする部隊。一方、『EV』=フェラインは、例えば、10人が集まって会費を出したとする。100ユーロで10人の活動の幸福感を満たすものにする。

 そうして収支をプラスマイナスゼロにする。そう考えるのが基本であって、決して収益を上げるためのものではありません」

【了】

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