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長友佑都 10年前

アタランタの奇策に苦しんだインテル。長友佑都は“長友封じ”にどう対抗したのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

昨季も大敗。“山師的”戦術家コラントゥオーノ監督

 組み立てと同時に、得点源にもなるサイドを封じられると、今のインテルの攻撃はたちまち機能不全になる。そして好調のパラシオも、常にCB3人に囲まれ身動きが取れなくなった。

 その一方で、アタランタに予想と違うシステムをとられたせいか、インテルのプレスは珍しく空転するばかり。そのうちにサイドを押し込まれ、26分にはクロスを許してデニスに頭で決められた。

 アタランタのコラントゥオーノ監督は、選手個々の技術を活かした攻撃サッカーに長けるが、それと同時に山師的な雰囲気を持つ戦術家でもある。

 昨季のインテル戦でも、3バックと4バックを使い分けるストラマッチョーニ前監督のサッカーに対し、練習から二通りの対策を準備。そして試合直前、相手のウオーミングアップでの顔ぶれを見て最終的な戦術を決断したという逸話が残っている。そしてその結果、インテルは3失点で敗れた。

 アタランタに対し、2008年以来アウェー戦で勝ち星がない。今回も山師の奇策にやられるのか――。ただインテルも黙ってはおらず、また長友も前が塞がれているなりの工夫をプレーに盛り込んだ。

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