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長友佑都 10年前

アタランタの奇策に苦しんだインテル。長友佑都は“長友封じ”にどう対抗したのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

対策を逆に利用していい形は作ったが…

 マークが付いてくるのを逆に利用し、引きつけてスペースを作り、味方を走りこませる。前半41分には右クロスをファーで反応し、ヘディングシュートをポスト外側に当てた。

 その後も長友は、様々な工夫を入れて局面の打開を図った。後半の9分には密集地からボールをふわりと浮かせてアルバレスへと通し、23分にはカットインからディスタンスを取り右足で巻いたクロス。

 さらに32分にはヒールパスを織り交ぜてアルバレスとパス交換、さらには2人のプレスを軽快なドリブルで交わしてクロスという美技まで披露する。しかしそのどれも、相手の守備陣を破って得点を演出するまでには至らず、結局試合は前半の1-1から動かずに終了した。

 当然のことながら、対戦型の競技は相手がいてゲームが成立するものである。選手が思うように活躍できない時、そこには本人のミスやコンディション不良だけではなく、相手の力量や戦術的な対策も関わっているのだ。

 序盤戦で活躍した長友にはこれからも対策が練られ、“格下”との対戦であっても厳しい内容のゲームを強いられることも増えてくるだろう。その中にあってアタランタ戦で長友は、マンマークを逆手に取ってスペースを利用する工夫も見せていたが、それを結果に結びつけることが出来るか。今後はそんなところにも注目していきたいものである。

【了】

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