年間勝点13位からACL出場権獲得そして、優勝も可能
だが、この大会方式でも、さきのシミュレーションのケースでいえば、CSで待ち構える年間勝点1位の横浜F・マリノスが必ずしも有利になるとは限らない。待ち構えている間に試合勘を鈍らせ、SSを勝ち抜いてきたチームの勢いに飲まれるケースは、同様の大会方式を採用するプロ野球でも見られる。
また、今シーズンの大宮のようなケースは稀ではあるが一考の必要がある。前期は広島に得失点差でわずか2位だった。後期はわずか1勝と断トツの最下位で、前期のチームの勇ましい姿は見る影もない。
もし、大宮が前期で優勝していたならば、SSへの進出は確定していた。そして、このSSで2勝をあげればCSへ進出が決まるわけで、もしもCSで勝てば年間王者、負けても年間順位は2位となりACLへの切符を手に入れることになる。つまり、大宮は年間勝点13位からのジャンプアップに成功できるわけだ。
いくら後期に調子を落としていたとしても、トーナメント形式の大会となれば何が起こるかわからない。大宮のような堅守速攻の手堅いスタイルが伝統のチームであればなおさらだろうが、果たしてファンは納得するか。大宮サポーターも当事者として結果をどう受け取っていいのか戸惑うかもしれない。
また、その逆もしかり。前期はまったく振るわなくとも後期だけ何とか頑張って優勝をかっさらえば、そのままポストシーズンへ入っていける。昔のヴェルディのように、スロースターターが有利といった印象も拭えない。
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