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内田篤人 10年前

シュート、クロス0本もシャルケ勝利に貢献。内田が果たした大きな役割とは?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

左サイドの起点を抑えていた内田

シュート、クロス0本もシャルケ勝利に貢献。内田が果たした大きな役割とは?
内田の「守備のマッチアップ」では14回中の11回に勝利している

 しかし、手元で集計した「守備のマッチアップ」では14回中の11回に勝利している。特に左ウィングのベルナーには5回の対戦で4回勝利しており、現在のシュトゥットガルトで攻撃のキーマンとも言えるこの俊英が目立った割に決定的な仕事をできなかったのは、内田が厳しくチェックしていたためだ。

 その結果、シュトゥットガルトが記録した「エリア内侵入」のうち、ベルナーとラウシュを揃える左サイドが起点となったものが3回しか無かったことは特筆に値する。

 もちろんサイドの対人戦だけでなく、カウンターからロングボールが入ってきたところで中央に絞って侵攻を止めるなど、無失点の立役者とも言える働きだった。スタイルよりも勝利にこだわる内田としては、この試合に関してはチーム内でしっかり役割を果たしたことは間違いない。

 さらに評価を高めて飛躍するには個人の質や精度もさることながら、チームが一度守備をセットアップしたところから、再びボールポゼッションを高めて、両サイドバックが攻撃参加しやすい状況を構築することが必要だ。それなしに単にクロスやシュートの本数をもって内田個人のパフォーマンスを評価することは現時点でナンセンスだろう。

【了】

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