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突如浮上した招集問題。長谷川アーリアはイラン代表に必要な選手なのか?

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

突如浮上した長谷川アーリア・ジャスールの招集の噂

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長谷川・アーリア・ジャスール【写真:松岡健三郎】

 そして最終予選の途中に抜擢され、ラスト3試合で3得点と爆発したグーチャンネジャードはイランの命運を握る存在。タイミング良くディフェンスラインの裏に抜け出し、技巧的な左足のシュートでゴールネットを揺らす。ベルギーのスタンダールで川島永嗣のチームメートでもある新鋭が世界の舞台で輝けば、彼の市場価値もグンと上がるだろう。

 彼ら“欧州組”の参戦はイランにとって非常に大きいが、チームの主軸がネクナムとティムリアンであることに変わりはない。スペインで一時代を築いたネクナムは33歳となった現在、国内リーグでプレーしているものの、その気になれば欧州トップリーグで十分に通用する実力を維持している。

 相棒のティムリアンもアジア屈指の身体能力と予測力を兼ね備え、盤石の中盤を形成する。そして彼らの前に構えるトップ下には主に豊富な運動量を誇るジャバリが配置されてきたが、ここに来てケイロス監督が明かしたプランがイラン人の父親を持つ長谷川アーリア・ジャスールの招集だ。

 長谷川アーリアは12年にアゼルバイジャン戦に臨む日本代表メンバーとして招集されたが、この時は出場無し。FIFAのルール上はイラン代表でのプレーに問題はない。日の丸を付けることが憧れだったという本人や家族の意識、そして国籍問題を残しているものの、もし実現となればイランにとって大きな戦力となることは間違いない。

 実現ならライバルとなるジャバリは高いシュート力を備えるが、最終予選ではあまり鋭い飛び出しを見せておらず、縦の推進力とゴール前の迫力に関しては長谷川アーリアの方が優れている。言葉の問題はあるが、プレッシングやチャンスの起点として、さらには危険なシャドーストライカーとしてスタメンに抜擢されても不思議ではない。

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