高校サッカー心を揺さぶる物語。悲願の選手権メンバー入り、しかし父は末期ガンで…

第92回全国高校サッカー選手権大会が12月30日開幕となりました。全国で本当にあった涙の青春ストーリーを集めた『高校サッカー心を揺さぶる11の物語』(カンゼン、安藤隆人監修)から、選手と父親の絆を描いた「いつも親父がいてくれた」の一部をご紹介します。

2014年01月08日(Wed)10時42分配信

text by 安藤隆人 photo editorial staff
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基礎を教えてくれた親父

 親父が末期ガンだと知ったのは、高校2年の夏前のことだった――。
 
 僕のサッカー人生にはいつも親父がいた。親父は小学生のサッカークラブの監督を務めていて、僕はそこでサッカーを始めた。親父はサッカーに対して情熱的で、家に帰ってからも個人練習があった。

「インサイドキックはこう蹴るんだ!」
「周りを見ながらプレーするんだ!」
「トラップが何よりも大事だ!」

 親父からサッカーの基礎を徹底して教え込まれた。
 
 中学のサッカー部では、今までの親父との練習の成果もあって、チームの中心としてプレーしていた。高校は、親父に勧められてセレクションを受けて、地元の強豪校に入った。

 親父のことを正直うっとうしいなぁと思うこともあったけど、サッカーについては親父のアドバイスを頼りにしていたし、時には熱いサッカー談議を交わすこともあった。
 
 高校サッカー部を率いる角谷監督は、地元では厳格な指導者として知られていた。実は、角谷監督は僕の親父の親友でもあった。2人は同級生で、高校時代は選抜チームでコンビを組んでいたらしい。

 つまり、監督にしてみれば、僕は親友の息子にあたるわけだ。でも、だからといって優遇されることはまったくなくて、毎日厳しい指導が続いた。

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