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人生はときめいたのか? スウェーデン代表選手が“こんまり”を超える断捨離で話題

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Getty Images

ツイッターで「自由の身になった」

 ローゼンベリの契約は残り1年半となっていたが、通算33試合に出場して無得点と成績不振だったことから、クラブから戦力外を通告されるとともに契約解消を提案され、合意した。彼は自身のツイッターで、「自由の身になった。ウェストブロミッチの全ての関係者とファンに感謝する」と述べた。

 短期間での契約解消となったため、引っ越し手続きを面倒に感じた同選手は、思い切って家財道具すべてを寄付するという決断に踏み切ったとされる。

 バーミンガムのチャリティ・ショップ「スー・ライダー」のトレイシー・エバンスさんは、ローゼンベリの電話をイタズラだと思ったとし、家財道具を運び出すのに6時間を費やしたと言う。

「私はウェストブロミッチのファンではなかったけど、この一件でファンになった。家財道具をすべて運びだし終えた時、家には寝るためのベッドしか残らなかった。庭にあった6メートルのトランポリンも無償で提供されたけど、店にはもう置く場所がなかった。

 すべて質の高いものばかりで、ミニマリズムな家具だった。チャリティでは低価格で売り出すのが鉄則だけど、今回の寄付で3500ポンド(約60万円)ぐらいの収益が期待できそう。ローゼンベリ夫妻は素晴らしい人だったし、寄付を考えてくれて本当によかった。

 突然の戦力外通告による契約解消に自暴自棄となったのか、世界最高峰の福祉国家スウェーデンの慈善心が働いたのか、いずれにしても、結果は残せずとも違う形で大きな足跡を残したローゼンベリだった。

【了】

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