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フットボールマネーを追え!【06】クラブの収益源“胸スポンサー”。しのぎを削る中東3社。オイルマネー背景に存在感高める

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Asuka Kudo / Football Channel

バルサのスポンサー、カタール航空はSNS事業に本腰

 なぜエミレーツは、そこまで広告宣伝に本腰を入れるのか。

 その1つが『ハロー・トゥモロウ』と名付けられたスローガンの下、トップ・グローバル・ライフスタイルの実現を目指しているからでもある。

 そのため同社は、サッカーに限らず、世界4大テニス大会の1つ、ローランギャロス(全仏オープン)や、EU内で開催される10のゴルフトーナメントのほか、クリケットやラグビー、競馬、ヨットのアメリカズカップなどへも投資をしているというわけだ。

 次に、エミレーツの対抗馬であるカタール航空についてみてみると、目標としていた100億ドル(約1兆800億円)の売上を2013年に達成し、エミレーツを猛追するなか、リーガ・エスパニョーラのバルセロナと、13/14シーズンから胸スポンサーシップとして、年間4,500万ドル(約48億円)の3年契約を結び、より一層のブランディングを始めた。

フットボールマネーを追え!【06】クラブの収益源“胸スポンサー”。しのぎを削る中東3社。オイルマネー背景に存在感高める
なぜエミレーツは、そこまで広告宣伝に本腰を入れるのか【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 同社では現在、最大10人の友達を公式フェイスブックに招待してもらい、500万人から『Liked(いいね)』を押してもらおうとするコンテスト『ジョイン・ザ・クラブ』が、来月10月7日まで開催中だ。

 優勝者には、ドーハとバルセロナ間の無料往復航空券とFCバルセロナの本拠地カンプノウで行われる試合観戦チケット、さらには選手のサイン入り公式ユニフォールがプレゼントされるという。

 この路線は現在、週に10便の運航があるが、FCバルセロナという抜群の知名度を利用して、搭乗者を一気に増やそうというのが狙いだ。

 この2社に負けじと、中東勢からはもう1社。UAEのエティハド航空が参戦した。

 総資産が100兆円を超えると言われているアブダビの投資会社が2008年にマンチェスター・シティを買収し、その後、同国のエティハドがシティの胸スポンサーとスタジアムのネーミングライツを年間6,300万ドル(約68億円)で購入した。

 それにより、シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムは、エティハド・スタジアムと呼ばれるようになった。

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