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フットボールマネーを追え!【06】クラブの収益源“胸スポンサー”。しのぎを削る中東3社。オイルマネー背景に存在感高める

欧州クラブの収益源において重要な存在であるユニフォームの胸スポンサー。各クラブは莫大な金額で契約を結んでいる。その中でも近年、勢いを強埋めているのがエミレーツ、カタール、エティハドの中東3社だ。

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Asuka Kudo / Football Channel

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ユナイテッドはシボレーと年間約86億円の超大型契約

 とにかく、でかい。

 エミレーツ航空のベースキャンプでもある、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ国際空港に降り立ったときの印象だ。

 しかもこの空港は、日本のお家芸を奪うかのように24時間営業のため、いつ訪れても航空機のジェットエンジンが爆音を轟かせ、人が絶え間なく行き来している。

 日本国内でも、今やエミレーツの名を知らない人は少ないだろう。

 ACミランの本田圭佑が着ているロッソネロ(ミランのユニフォームの愛称。イタリア語で赤黒の意味)もそうだし、日本でもすっかりお馴染みとなったレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウドが身にまとっているユニフォームにも『fly emirates』の文字が輝いている。

 クラブ経営の収益源は、大きく分けて3つ。その1つがコマーシャル収入で、スポンサーシップ、ライセンス契約、グッズ販売などを積み上げたもの。

 スポンサーシップのなかで、もっとも大きな比重を占めるのが、公式ユニフォーム(英語では、シャツあるいはジャージと言う)の胸の中央部分に書かれたスポンサー名と、シャツそのものを提供するメーカーのロゴである。

 今回は、その2つのうち、スポンサー名(以下、胸スポンサー)に的を絞り、またクラブ側からの視点ではなく、どちらかというとスポンサー企業側に立った考察をしてみたいと思う。

フットボールマネーを追え!【06】クラブの収益源“胸スポンサー”。しのぎを削る中東3社。オイルマネー背景に存在感高める
胸スポンサーシップ金額上位5チーム

 胸スポンサーシップの金額上位5チームは、表の通りである。

 前回までは、リーグ別に考察することが多かったが、コマーシャル収入に関しては、協会が大きく関与する分野でもなく、プレミアリーグやブンデスリーガの放映権収入のようにリーグが一括管理しているわけでもなく、チーム別に見ることが多くなる。

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