補強面と総合力それぞれの診断結果
補強評価 C
攻撃陣の補強は大成功。守備は戦力大幅ダウン
一昨季のJ2得点王ケンペスがチームを去ったものの、代わりに現役スロベニア代表の万能アタッカー、ネイツ・ペチュニクがやってきた。
長身ながら足もとの技術にも優れ、前線の複数ポジションで試されている。とはいえ、ペチュニクが仮に大活躍を見せてもJ2には国際Aマッチデーによる中断がないため、スロベニア代表で不在の時期をどう乗り切るかは課題になる。
元日本代表の水野晃樹と鈴木隆行は、千葉の攻撃にバリエーションと推進力をプラスできる貴重な存在だ。ともに経験豊富で、古巣復帰となった今季にかけるモチベーションも特大。若い選手も彼らから刺激を受けて大きく成長できるだろう。
一方の守備面の不安はぬぐえない。山口智と山口慶が抜けた穴は計り知れないほどの大きさだ。中盤にパウリーニョが加わったが、彼一人で解決できる問題でもない。
新加入組では専修大出身の北爪健吾が右SBのレギュラーポジションを獲得したようだが、それ以外は皆控えに回る見込みとなっている。
新戦力が競争を喚起できず、引継ぎが大部分となれば、3位という結果につながった昨季の堅守を再現することはできない。
総合力評価 B
重心が前がかりに。関塚監督の手腕が問われる
不安定な守備陣に対し、前線はJ2屈指の実力を誇り、チームの重心がどうしても前がかりになってしまう。これは一度歯車が狂った場合、非常に危険な状況となる可能性も否定できない。
失点が止まらなくなり、それについて悶々と試行錯誤していくなかで全体が噛み合わなくなり、果ては立て直すのも難しくなるという悪循環を招きかねないからだ。昨季のセレッソ大阪を見ればよくわかるだろう。
森本貴幸が本来の力を取り戻しつつあり、ペチュニクや水野などJ1でプレーしていてもおかしくない実力者が揃っている。
「一意専心」というクラブスローガンの下、全員がJ1昇格のために力を尽くし、守備面の不安をチーム全体でカバーしなければ難しい戦いを強いられることになるだろう。
今年もライバルたちは強大だ。関塚隆監督の手腕も含め、昨季以上のものが求められる勝負の1年となるのは間違いない。
【了】
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