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【潜入レポート】カタール、労働者酷使は本当か? W杯スタジアム建設労働者に与えられる驚きの環境

text by 森本高史 photo by Takashi Morimoto

「既にFIFAは訪れており、何度も素晴らしいと絶賛してしました」

【潜入レポート】カタール、労働者酷使は本当か? W杯スタジアム建設労働者に与えられる驚きの環境
施設の説明をするステファン氏(上)とW杯組織委員会広報部長のナセル・アル・ハテル氏(下)【写真:森本高史】

 この恵まれた環境は視察ツアーの時だけではないのか。真相を探るべくステファン氏に訊いてみた。

――労働者へのホスピタリティが充実していますね。

「カタールのために日々額に汗を流して頑張ってくれる労働者への感謝の気持ちを最大限に表わしています。もし変な待遇を与えたら、即刻カタール政府から注意・勧告を受けます。2022年W杯だけではなく、カタールで働く全ての労働者が、最高の環境を享受しております」

――この素晴らしい住居施設を、なぜFIFAのインスペクター(検査員)に見せないのですか?

「既にFIFAは訪れており、何度も素晴らしいと絶賛してしました」

――ではなぜここまでカタール痛烈に批判されているのですか?

「FIFAからは最高の評価を受けているのですが、残念なことにカタールのことを快く思っていない人々が、世界には存在します。彼らが国際的なメディアを使い、カタールのことを悪く言います。一般市民は、その記事や特集を見て信じてしまいます」

――イメージアップにはなにが必要ですか?

「今回の視察ツアーのように、真実を全世界に積極的に発信していくことです。何も隠していないし、常にオープンな姿勢を持っております。2022年カタールW杯は史上最高の大会にすべく全力を尽くしますので、応援よろしくお願いします」

 カタールは本気だ。彼らは大会の成功に全力を注いでいる。もちろん解決すべき問題はまだまだある。だが、W杯組織委員会広報部長を務めるナセル・アル・ハテル氏は「史上最高のW杯にする」と大きな自信を見せており、その実現に向け突き進んでいることは確かだ。

【了】

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