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本田圭佑 8年前

本田、屈辱の“3番手”、20歳にスケールで敗北。四面楚歌の10番が生きる道とは

text by Keiske Horie photo by Getty Images

ミランで本田が生きる道とは

 それでは、本田がいかにしてミランで重要な存在として生き残っていくかという問を考えた時、明確に一点認識しなければいけないことがある。それは「チームの低迷によって本田のパフォーマンスが低下しているわけではない」ということだ。

 本田は自身のパフォーマンスによってチーム内で地位を脅かされていることを認識しなければならない。とりわけ、トップ下もしくはウイングといった攻撃的なポジションであればなおのことである。たしかに献身性は本田の大きな武器ではあるが、ミランのライバルたちは献身性を兼ね備えた上で決定的な仕事を行なっているのだ。本田が純粋に攻撃において力不足であることは残念ながら事実にほかならない。

 また、繰り返しとなるが、このパフォーマンスの低下はミランのチーム状況が低迷しているからではない。つまり、たとえプレミアリーグに移籍しても、リーガ・エスパニョーラに移籍しても、状況が好転するとは考えにくいということである。

 本田がクラブへの批判を繰り広げ移籍希望が報じられた一方で、インテルのDF長友佑都がひたむきに努力を続けてロベルト・マンチーニ監督の信頼を徐々に獲得していることは、あまりにも象徴的な出来事のように映る。

 2014年の1月にミランの“背番号10番”を選択してから、本田は今最も大きな困難に立ち向かっている。ここで、監督とクラブ、そしてチームメイトたちと正面からぶつかり、壁を乗り越えることでさらなる進化を遂げることに期待したい。

【了】

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