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PSG、2位に勝点19差をつけて前半戦を終了。極端な“1強”はどこに存在意義を見出されるか

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

PSGはもはやリーグを盛り上げる存在ではない

PSG、2位に勝点19差をつけて前半戦を終了。極端な“1強”はどこに存在意義を見出されるか
パリ・サンジェルマンのアル・ケライフィ会長【写真:Getty Images】

 そしてもう一つのビッグ人事の可能性が、ペップ・グアルディオラの招聘だ。

 すでにバイエルンとの契約更新はしないと宣言している名将に、アル・ケライフィ会長は直談判を試みたという。

 グアルディオラは、「イエス」と言わなかったが「ノー」とも言っていない、ということで、可能性は消滅してはいない。だが、ブンデスリーガでも、リーグ内での競争がないことにやりがいを感じられていなかった、と語る彼が、さらにヒリついた戦いの少ないリーグ1に来るとは到底思えない。彼ほどの人物がカタールマネーに釣られることもないだろう。

 ヴェッラッティは無邪気に「グアルディオラのような監督のもとでプレーしてみたい。彼は世界ナンバー1監督だ」とインタビューで語っているが、外国人選手が主力のPSGで、これまでフランスのクラブとしてのアイデンティティを支えて来たのは、ブラン監督だ。

 その監督を外国人のスター指揮官にすげ替えるとすると、PSGはますます、カタールのお金持ちたちのための『リーグ1という箱を借りたビッグイヤー狙いの駒』と化すだろう。

 ただ、CLでチェルシーに敗れれば、まず間違いなくブラン監督の来季継続はない。そしてロナウド、イグアイン、ポグバ・・・彼らが来夏獲得に成功するのはどの大物なのか。

 PSGはもはや、リーグ1を楽しくしてくれる存在ではないが、次は何をやらかしてくれるか、という興味の対象としては、実に面白い異次元の単体クラブだ。

【了】

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