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ジュニサカ 8年前

決勝戦で「赤い彗星」が偉業に挑む。東福岡の本領発揮はなるか

text by 平野貴也 photo by Yosuke Koga , Getty Images

両サイドのコントラスト

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ファジアーノ岡山U-15出身、8番の橋本和征選手【写真:Getty Images】

 橋本は、ファジアーノ岡山U-15出身で複数の強豪校から誘いを受けた中で東福岡を選択。当時から評価の高かった選手だ。左利きでスピードがある。身長は170センチジャストで体は小さいが「あまり体が強くないけど、強く当たられることには慣れているので、バランスを取って倒れないようにできる」と速さと柔軟性を武器に左サイドをえぐる。応援団は、ファジアーノ岡山のサポーターが用いている桃太郎の童謡の替え歌を拝借し、さらに歌詞を変えて橋本の応援歌として使用している。

 一方、右の三宅は倉敷市立北中学校の部活動出身のたたき上げだ。中学3年の冬、クラブチームと中学校がともに参加する中学生チームの日本一決定戦である高円宮杯U-15の県大会でハットトリックした活躍を東福岡OBで見ていたことがきっかけで、急きょセレクションを受けて特待生として認められたために進学。

「何も知らなかった。男子高だということも知らず、入学式でカルチャーショックを受けた。あれ? 女子は別校舎なのかなと思ったくらい」というほど東福岡への進学などまるで考えたことがなく、無縁の存在だったという。

 しかし、相手に当たられても物ともしないパワーとキレのあるフェイントで右サイドを蹂躙し、強引でもチャンスを作れる力強さが魅力だ。ともに左利きで、橋本は突破からのクロスを最大の武器とし、三宅はクロスばかりでなく、中央へのカットインからシュートという選択肢も併せ持つ。

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