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太田宏介、オランダで日々進化。新たな環境で得た技術と自信、飽くなき向上心でさらなる高みへ

text by 舩木渉 photo by Getty Images

現地記者も実力を評価。レジェンドとの関係が成長促す

 加入間もない太田のプレーを地元のメディアも称賛する。本拠地があるアーネムの新聞でフィテッセ番を務めるリック・マルテンス氏は「コウスケは前へのスピードがあっていい選手だね。守備では他のDFに助けられる場面もあるが、どんどん良くなっている。彼は素晴らしいチームプレーヤーだ」と早くも新しい環境に順応した日本人に賛辞を送る。

 同じく地元紙でフィテッセの番記者を務めるヘラルド・ボルフマン氏も「いい技術を持っていて左足のクロスやパスの精度も高い。オフェンシブな選手だと思う」と、前者と同じく攻撃面を高く評価した。

 一方で守備面には疑問が残るという。ボルフマン氏は「すぐにオランダの守備を学べばいい左SBになれる」と、日本とは違う守備の動きを習得することが活躍への近道であると述べた。

 だが、太田本人はこの守備面にも手応えを感じ始めている。ヘーレンフェーン戦では序盤から対面の選手に激しく体をぶつけ、90分間通じて全く仕事をさせなかった。ほとんど前を向かせなかったと言っても差し支えないほどの完勝だった。

 これにはアシスタントコーチを務める元デンマーク代表のレジェンド、ヨン・ダール・トマソン氏の助言が大きいようだ。「監督、トマソン含め試合が終わるごとに守備の良くなかった面をしっかりミーティングで話し合って、それで指摘されたところをしっかり今日の試合で表現できた」と、綿密なコミュニケーションで日進月歩の成長を遂げている。

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