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リークによる“情報公開”がサッカー界にもたらす混沌。“暴露サイト”と流出元が語る問題の本質

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

FIFAの移籍システム改革が必要と語るFL

FIFAは2015年からTPOを禁止している
FIFAは2015年からTPOを禁止している【写真:Getty Images】

 FLは具体的に何が問題だと考えているのか。

FL「フットボールは信頼性の著しい欠如という問題に直面しており、そのほとんどは、FIFAやUEFAが明らかにマネジメントに失敗しているということから生じている。

 FIFAのスキャンダルが臨界点となったのはもちろんだが、明らかな改革を必要とするものは他にもある。それはFIFAの移籍システムだ。もうこのシステムは選手の利益にかなっていないし、ファンやクラブにとっても望ましいものではない。

 選手エージェントや投資ファンドはこのシステムを不当に利用しているし、彼らの支配力は強くなるばかりだ。そして未公表の手数料は莫大な額になっている。このことはファンへの冒とくだ。

 フットボールにおいては、あるクラブが競争力を持ちたいと思い、良い選手を買おうと思えば、エージェントが望む額の支払いを余儀なくされる。仲介手数料に制限を設けることは喫緊の課題だ。選手が新しい契約を結んだり、移籍したりした際に、エージェントはいつも何千ユーロ(ときに何百万ユーロ)を得ている。これは実に受け入れがたいことだ」

 仲介手数料について、FIFAは報酬総額の3%を推奨しており、日本サッカー協会もこれに準じた額を推奨している。だが、いずれもあくまで勧告にとどまっており、実態とはかけ離れているようだ。そもそもFIFAの勧告通りの数字だと、よほど大きな案件でも抱えていない限り事業として厳しいという問題もあるそうだが。

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