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レアル、空中分解寸前からCL制覇。“白い巨人”を救ったジダンの超カリスマ力【15/16シーズン査定】

シリーズ:15/16シーズン査定 text by 高橋康光 photo by Getty Images

負傷者を補ったカンテラ出身者。守備陣は補強が必須

ルーカス・バスケス
ルーカス・バスケス【写真:Getty Images】

 DFラインでは、移籍も噂されるヴァランの動向次第だが、高さと速さ、そして若さも備えたこのフランス人は何とか残留させたいところだ。また、CBのバックアッパーがナチョだけでは心もとなく、衰えが見え始めた33歳のペペに代わる選手も必要だ。そして。右サイドに比べマルセロ1人への依存度が高い左サイドにも代表クラスの選手が欲しいところだ。

 次に攻撃陣だが、BBCの3人は今季計98点を叩き出し、相変わらずの破壊力を見せたのはさすがだが、3人それぞれが離脱を繰り返し、中々揃わないこともある中で、ヘセやルーカス・バスケスといったカンテラ出身の若き代役たちが素晴らしいパフォーマンスを見せたのは大きな収穫だった。

 特に、圧倒的な運動量を誇り、ユーロを戦うスペイン代表候補にも選出されたバスケスは、チームに新風を巻き起こし第4のFW争いを一歩リードした。

 メディアでは、バイエルン・ミュンヘンのロベルト・レバンドフスキ、ユベントスのパウロ・ディバラといったビッグネームが候補に挙がっているが、果たして現場の意見はどうだろうか。的確な判断が必要だ。もっとも、CL制覇に気をよくした、ビッグネーム好きのペレス会長が、「銀河系軍団第2章」などと音頭をとる可能性もゼロではないが。

 一方で、2シーズン目を迎え、飛躍が期待されたハメスだったが、ピッチ内外でのトラブル、ムラのあるパフォーマンスで、すっかり序列を下げてしまった。同じくベニテス時代に重宝されていたイスコもジダン体制に入ってから出場機会が減った一人である。

 才能は誰もが認めるところだが、彼らをこのチームでどう機能させるかは、ジダンも悩むところだろう。無論、彼らの去就次第では、当然補強が必要となってくる。

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