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“本気”のブラジル、“育成”のドイツ。決勝を読み解く3つの要素【リオ五輪サッカー】

text by Keiske Horie photo by Getty Images

3.ブラジルが乗り越えるべき2つの悲劇

ミネイロンの悲劇
オリンピック決勝を闘うブラジル代表(右)とドイツ代表(左)【写真:Getty Images】

 ブラジルは今回のオリンピック決勝で乗り越えるべき2つの悲劇を抱えている。「マラカナンの悲劇」と「ミネイロンの悲劇」だ。

 マラカナンの悲劇は1950年のブラジル・ワールドカップで開催国ブラジルがW杯優勝を逃したことに起因する悲劇。優勝決定戦でウルグアイに逆転負けを喫した場所こそが、今大会の決勝の地マラカナンなのだ。

 また、ミネイロンの悲劇は対戦相手であるドイツとの因縁である。記憶も新しい2014年ブラジルW杯でブラジルは準決勝でドイツと対戦。しかし、1-7という衝撃的なスコアで敗北している。この大敗はブラジル国民に大きなショックを与え、ブラジル紙は「史上最大の恥」「ブラジルは殺された」とまで言い放った。

 未だ五輪金メダルを獲得していないブラジルにとって、決勝ドイツ戦は過去の悲劇を乗り越え新たな歴史を紡ぐ願ってもいない機会となっている。想像を絶するプレッシャーの中でプレーする11人の若者は、ブラジル国民に歓喜を届けることができるのだろうか。

(文:Keiske Horie)

【了】

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