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ミランの元”10番”、古巣の凋落を嘆く「全ては2人の選手の放出から始まった」

text by 編集部 photo by Getty Images

デヤン・サビチェビッチ
元ミランのデヤン・サビチェビッチ氏【写真:Getty Images】

 かつてミランの“10番“として活躍した元ユーゴスラビア代表のデヤン・サビチェビッチ氏は、古巣がトップクラブではなくなった現状を悲しむ様子を見せ、4年前に2人の選手を放出したことが凋落の始まりだったとの見解を述べている。15日付のイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が同氏のインタビューを伝えた。

 イタリアで“ジェニオ(天才)“の異名を取ったサビチェビッチ氏は、現役時代に1992年から98年までミランでプレー。当時のミランは世界的なスター選手を数多く擁し、94年にはチャンピオンズリーグ決勝でバルセロナを4-0で粉砕して欧州王者に輝くなど、一時代を築いていた。

 残念ながらここ数年のミランにその面影はなく、欧州はおろかイタリア国内での優勝争いでも蚊帳の外に置かれている。サビチェビッチ氏によれば、2012年夏にDFチアゴ・シウバとFWズラタン・イブラヒモビッチ(現マンチェスター・ユナイテッド)の2人をパリ・サンジェルマン(PSG)へ放出したことが転機になったと考えているようだ。

「全てはミランがイブラとチアゴ・シウバを売った時、あるいは売らなければならなかった時に始まったと思う。クラブに移籍金をもたらしてくれる選手なら、(アントニオ・)カッサーノやロビーニョやパトもいた。だがあの2人はダメだった。そこから落ちていったんだ」

 T・シウバとイブラヒモビッチの加入以来、PSGはリーグアン4連覇を達成し、欧州でも屈指の強豪クラブに成長。イブラヒモビッチはこの夏移籍したユナイテッドでもさっそく活躍を見せている。

 かつてのミランは「今のバルセロナやレアル(・マドリー)のようなトップクラブ」だったが、現在ではそうではなく、移籍市場で主役となることもできない。「1人の選手に8000万ユーロを支払うようなことは不可能だ。(ポール・)ポグバを獲れば状況が良くなっていたというわけではないが、(ガレス・)ベイルや(ルイス・)スアレスのような選手たちはもはや(ミランにとって)手の届く存在ではない」とサビチェビッチ氏は嘆いている。

 今季セリエAでも開幕戦に勝利したあと2連敗と苦しいスタートを切っていたミランだが、現地時間16日に行われたサンプドリア戦には1-0の勝利を収めた。ここから巻き返しを見せ、名門復活に向けて前進していくことができるだろうか。

【了】

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