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「カンプ・ノウでのクラシコ」優勢はレアルか? バルサの“支配力”を満たすための条件【注目試合プレビュー】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

バルサの支配力をフルに発揮するために

アンドレス・イニエスタ
アンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

 対するバルセロナにとっては、この一戦は正念場となるだろう。最近の調子を見ると、マドリーがアトレティコとのアウェイでのダービーを3-0の圧勝で終えるなど連勝を6に伸ばしているのに対して、バルサはマラガとソシエダを相手に2試合連続のドロー。順位でも首位マドリーに勝ち点差6の2位で、ここでこれ以上離されるわけにはいかない。

 そんな中で、イニエスタがこのクラシコで戦列復帰するという報道もある。32歳となった現在でもバルサでのイニエスタの価値は高く、居ると居ないのとでは、その支配力に大きな差が出てしまう。

 バルサの看板といえば、メッシ、スアレス、ネイマールの3トップだが、彼らが思い通りの攻撃を繰り出し、その能力をフルに発揮するにはイニエスタが必須だ。

 バルサの最大の武器は支配力と書いたが、その支配力=イニエスタである。イニエスタがキックオフからカンプ・ノウのピッチに立っていれば、バルサの勝率は大きく跳ね上がるが、不在となれば苦しい戦いを覚悟しなければならない。

 ブックメーカー王手のウィリアム・ヒル社のオッズでは、バルサに1.85倍、ドローに4倍、マドリーに4倍という配当となっているが、今回のクラシコが行われるバルセロナのホーム、カンプ・ノウでの直近5シーズンの成績はバルセロナの4勝3敗2分け。各試合での内容に違いはあるものの、対戦成績の面ではカンプ・ノウ=バルサ有利とはいえないものとなっている。

 ここ最近の調子などでは、若干マドリーが有利とも思えるが、バルサが配当通りの結果を出すための一番の近道はイニエスタの戦列復帰といえる。マドリーがベイル不在でも強力なカウンターを繰り出し、イニエスタの復帰によってバルサが支配力をフルに発揮すれば、白熱のクラシコとなるはずだ。

(文:海老沢純一)

【了】

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