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レアル、クラブW杯も制す上出来な前半戦。BBC依存も脱却しジダンのカリスマ性も健在【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:16/17欧州主要クラブ中間査定 text by 高橋康光 photo by Getty Images

BBC不在も感じさせず。アセンシオら若手が穴を埋める

クラブW杯
2016年の最後には日本で開催されたクラブワールドカップを制覇【写真:Getty Images】

 クラブワールドカップ出場のため各チームより1試合消化が少ない中で、2位バルセロナに勝ち点差3をつけて堂々の首位に立ち、開幕からのリーガ無敗記録は15に伸びている(昨季からの公式戦トータルの無敗記録は37試合に)。

 開幕時には、EUROでの負傷によりエースのクリスティアーノ・ロナウドを欠き、同じくFWカリム・ベンゼマも負傷で欠場という事態に直面したが、モラタ、アセンシオ、ルーカス・バスケスといった若手がその穴を見事に埋めた。チームの看板“BBC(ベンゼマ、ガレス・ベイル、C・ロナウド)”の3人が同時にスタメンに名を連ねたのは第5節になってからのことだった。

 しかし、今季のマドリーはそのBBC不在も感じさせない強さを見せている。第15節終了時点での総得点は40だが、うちBBCによるゴールは19と、依存度は50%を切っている。昨年の同節終了時の33点中22点(約69%)と比べてもその違いは明らかだ。BBCの3人に依存しないサッカーは昨シーズンよりも完成度を高めている。

 シーズンに入ってからも、MFカゼミーロ、DFマルセロ、MFルカ・モドリッチ、MFトニ・クロースら、主力が続々と離脱し、野戦病院状態になったが、そんな中でもチームは確実に勝ち点を伸ばした。

 チーム全体の底上げが感じられる中、特に負傷者続出のMF陣において、加入2年目のマテオ・コバチッチの働きがチームを救ったのは間違いないだろう。中盤のユニット構成上、様々な役割を与えられる中で攻守に渡り、そのポテンシャルの高さを見せた。

 また、前半戦も終盤に差し掛かった第12節のマドリーダービーではMFイスコが傑出した働きを見せ、第14節のバルセロナ戦、第15節のデポルティボ戦ではDFセルヒオ・ラモスの劇的弾がチームの窮地を救うなど、日替わりヒーローが入れ替わり出てきたことも見逃せない。「個」と「チーム力」の融合が感じられた前半戦であった。

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