フットボールチャンネル

シャペコエンセ、再起への第一歩。事故以来初の試合でブラジル王者とドロー

text by 編集部 photo by Getty Images

シャペコエンセ
事故生存者のジャクソン・フォルマン(中央下)、アラン・ルシェウ(右)【写真:Getty Images】

 昨年11月末に起こった飛行機事故で多くの選手を失ったブラジル1部のシャペコエンセは、現地時間の21日に事故以来初めてとなる試合を行った。ブラジル『グローボエスポルチ』など複数メディアが伝えている。

 コパ・スダメリカーナ2016の決勝進出を果たしたシャペコエンセは、コロンビアのアトレティコ・ナシオナルと決勝で対戦することを予定していたが、アウェイでの1stレグへ向かう飛行機がコロンビア国内で墜落。搭乗していた77名のうち、選手19名を含む71名が命を落とす大惨事となった。

 新シーズンに向けた再建を進めているクラブは、これまで新たに22名の選手を主にレンタルなどでチームに加えてきた。21日には事故後最初の対外試合となる親善試合を本拠地アレーナ・コンダで開催。昨季のブラジル王者であり、事故直前のリーグ戦で対戦した相手でもあったパルメイラスを迎えた。

 試合に先立ち行われたセレモニーには事故の生存者となったGKジャクソン・フォルマン、DFエリオ・ネト、DFアラン・ルシェウの3人も出席。コパ・スダメリカーナ優勝のトロフィーが贈呈され、事故で片足切断を余儀なくされたフォルマンは車椅子に乗ったままトロフィーを掲げた。犠牲となった選手たちへの優勝メダルはそれぞれの遺族へと贈呈された。

 満員となる約2万人の観客を集めた試合は2-2のドローで終了。後半半ばの71分には一旦試合が中断され、観客席のファンや選手らが拍手やチャントで71名の犠牲者への追悼の意を表した。また、事故の生存者の一人であるジャーナリストのラファエウ・ヘンゼル氏もスタジアム入りし、ラジオで試合のコメンテーターを務めたとのことだ。

 現地時間の26日には、新シーズンの初の公式戦となるジョインビレとの対戦が予定されている。コパ・スダメリカーナ優勝により出場権を獲得したコパ・リベルタドーレス2017での戦いは3月に幕を開ける。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top