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女性がイタリア男子U-16代表監督に! ドイツとの親善試合でベンチ入りへ

text by 編集部 photo by Getty Images

パトリシア・パニーコ
イタリア男子U-16代表を率いることになったパトリシア・パニーコ氏【写真:Getty Images】

 ヨーロッパ強豪国の男子代表チームに女性監督が誕生する。

 伊紙『ラ・レプブリカ』などによれば、今月22日と24日に行われるイタリアU-16代表対ドイツU-16代表の親善試合で、パトリシア・パニーコ氏がイタリアの監督としてベンチに座るという。

 イタリアで世代別を含めて男子の代表チームを女性が率いるのは初めてのこと。本来イタリアU-16代表を指揮するダニエレ・ツォラート監督がU-19代表の欧州選手権予選に帯同するため、パニーコ氏が代理としてU-16代表チームを任されることになった。

 代行監督とはいえイタリアの男子世代別代表を率いるだけあり、パニーコ氏の実績は半端ではない。1975年生まれの42歳と若いが、イタリア女子代表として204試合に出場して110ゴールを挙げ、同国の女子代表最多得点記録を保持している。2015年にはイタリアサッカー殿堂入りも果たしたレジェンドだ。

 今回イタリア男子U-16代表を率いるにあたってパニーコ氏は、「これは偉大な成果ですが、終わりではなくスタートに過ぎません。もちろん幸せですが、まだまだ多くの壁を打ち破らなければならないと思いますし、今回の決断でそういったものを蹴散らしたい。女性として初めて(イタリア代表の)ベンチに座れることは大きな出来事で、私の事例がもっと多くの同僚たちにつながってほしい」と述べ、自身のベンチ入りが将来につながる一歩になることを望んでいる。

 アジアでは香港のイースタンFCのチャン・ユエンティン監督が、AFCチャンピオンズリーグ史上初の女性監督として注目を集めた。ヨーロッパでもフランス2部のクレルモン・フット63でコリンヌ・ディアクル監督が辣腕をふるっており、女性指導者が男子トップレベルの選手を指導するケースは増えてきている。

 パニーコ氏が代表チームを率いることで、今後男子チームに女性監督が登用されるケースがこれまで以上に増えていくかもしれない。

【了】

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