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アーセナル、不安しかないヴェンゲル体制22年目。チームは穴だらけ、補強も不十分【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:17/18欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

アーセナル
アーセナルの2017/18シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
DF セアド・コラシナツ(シャルケ)
DF カラム・チェンバース(ミドルスブラ/期限付き移籍期間満了)
MF ジャック・ウィルシャー(ボーンマス/期限付き移籍期間満了)
FW アレクサンドル・ラカゼット(リヨン)
FW チューバ・アクポム(ブライトン/期限付き移籍期間満了)

OUT
GK エミリアーノ・マルティネス(ヘタフェ/期限付き移籍)
DF ガブリエウ(バレンシア)
DF キーラン・ギブス(ウェストブロムウィッチ)
DF カール・ジェンキンソン(バーミンガム/期限付き移籍)
MF アレックス・オックスレイド=チェンバレン(リバプール)
FW ヤヤ・サノゴ(トゥールーズ)
FW ルーカス・ペレス(デポルティボ・ラ・コルーニャ/期限付き移籍)

補強評価:E

 新フォーメーションの生命線であるサイドのスペシャリストとしてコラシナツの獲得は重要な成果。また、ラカゼットの加入も攻撃陣の戦力アップには繋がるだろう。しかし、アーセナルが期限付き移籍からの復帰以外で新たに獲得した選手はこの2人のみであった。

 補強ポイントのはずだったセントラルMFやCBの補強は全く進まなかった。今季こそ大型補強か…と思われたものの、結局財布の紐の固さは例年通り。ポジションごとの戦力バランスに不安がある現状のまま優勝を狙うことができるのか大きな疑問が残る。もはやCL出場権を獲得できるトップ4入りは厳しい。

総合評価:E

 今季アーセナルの1トップを争うのはラカゼットとジルー、そしてウェルベックだろう。だが、どの選手も優勝を争う他のライバルチームのストライカーたちと比べた時に見劣りするのは間違いない。一方で2列目のクオリティはA・サンチェスの残留によって維持できそうだ。ただしエジルとサンチェスが怪我なく年間を通して安定したプレーができるかに、チームの浮沈が左右されるだろう。

 コシエルニーを中心とした最終ラインに関しては、3バックを任せられる選手が少ない致命的な欠陥を抱えている。夏の移籍市場で戦力的な上積みはほぼなく、不安は解消されないままとなった。

 全体として、優勝を狙うチームに仕上がっているかと問われれば、ノーと言わざるを得ない。昨季終盤に解任論が噴出したヴェンゲル監督に、もはや失敗は許されない。名将の名に恥じない意地を見せ、アーセナルを再び高みに導きたいところだ。

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【了】

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