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プレミアでスタッフ2人が病院送りに。チケット持たないファン押し寄せ警察出動

text by 編集部 photo by Getty Images

ブライトン
ブライトン対クリスタル・パレスのダービーマッチ、スタジアムの外では事件発生【写真:Getty Images】

 プレミアリーグのブライトンは29日、前日行われたクリスタル・パレス戦での事件について声明を発表した。

 現地時間にブライトンの本拠地アメックス・スタジアムで行われたプレミアリーグ第14節のクリスタル・パレス戦の試合開始直後、チケットを持たない多数のアウェイファンが強行入場を試みたという。

 それを防ごうとしたスチュワード(案内係)が数人軽傷を負い、ブライトン側とクリスタル・パレス側のスタッフが1人ずつ、合わせて2人が病院へ搬送された。この騒動はキックオフの3分後に発生した。

 ブライトンはすぐに地元警察の支援を仰ぎ、キックオフから6分後の午後7時51分にスタジアムのアウェイ側ゲートを封鎖。それにより、まだ入場していなかった「チケットを持った」サポーター150人がスタジアムに入れなくなってしまった。英紙『ガーディアン』によれば、2000席が割り当てられたアウェイサポーターエリアは満席になっていなかったという。

 しかし、再度ゲートが開かれることはなく、スタジアムの外に残っていたクリスタル・パレスのサポーターはすぐに地元警察にブライトン駅まで誘導され、ロンドン行きの列車に乗って帰るよう促されたとのこと。

 ブライトンとクリスタル・パレスはライバル関係にあり、両者の対戦は「M23ダービー」や「A23ダービー」と呼ばれるダービーマッチになっている。トップリーグでの対戦は1981年以来36年ぶりだった。

 一連の騒動を受けてブライトンのポール・バーバー最高経営責任者(CEO)は「この災害はチケットなしでスタジアムに入ろうとした少数の人々によって引き起こされた。サセックス警察の支援とクラブのスチュワードの迅速な対応により感謝したい。(それらがなければ)我々はもっと大きな被害を受けていただろう。多くの本物のファンが非常に失望し、スタジアムに入れない事態が起きてしまったが、正しい決断だった」とコメントを発表し、事件を起こした一部のクリスタル・パレスサポーターを非難している。

 なお、ブライトンは騒動にか変わった個人を特定するため、警察に監視カメラの映像などを提供して捜査に協力する。チケットを持っていながら入場できなかった約150人のアウェイサポーターには、払い戻しなどについてクリスタル・パレスに問い合わせるよう求めている。

 熱のこもった試合が行なわれているスタジアムの外では、死者が出てもおかしくない事件が起きていた。客席では発煙筒が焚かれたため別のセキュリティの問題も指摘されているが、ブライトンの迅速な対応がなければ、スタジアム内でさらなる混乱が巻き起こっていたかもしれない。試合は0-0のスコアレスドローで終了している。

【了】

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