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本田圭佑 6年前

本田圭佑、途中出場でも同点弾の起点に。際立つ瞬時の判断力…求められる決定的な働き

text by 河治良幸 photo by Getty Images

上位進出の鍵は崩壊した守備の改善と…

 一気に逆転を狙いたいパチューカはさらに本田が浮き球の危険なボールをゴール前へと送ったが、GKウーゴ・ゴンサレスの間一髪のパンチングに防がれた。さらに相手を押し込んだところで浮き球のラストパスをゴール前のサガルにピタリと通したが、サガルがコントロールミスでシュートまで落ち込めなかった。

 逆に前掛かりになったところでFWアビレス・ウルタードの鋭いドリブルから、最後はウルグアイ代表MFカルロス・サンチェスに勝ち越しゴールを決められたパチューカ。ホームで痛い敗戦を喫して13位に転落したが、5試合を残してでリギージャ(トーナメント方式のプレーオフ)出場圏内の8位まで勝ち点2差であり、チャンスは十分にある。

 ただ、パチューカはここまで13試合で18チーム中3番目に多い24失点。特に後半の勝負どころの失点が目立っており、けが人が多い中でも守備を立て直す必要がある。本田は基本的な守備のタスクはしっかりこなしているが、中盤のプレッシャーをかけるところでもう少し貢献が必要だろう。

 モンテレイ戦は後半からゴールの起点になったプレーをはじめ、ボールキープとパスで何度も見せ場は作った本田だが、自分がペナルティエリア内まで入っていく仕掛けやシュートはなく、終盤にペナルティエリア手前まで持ち込んだシーンも味方にパスしたところをカットされた。

 周囲とうまく絡んだ効果的なプレーも少なくはなく、消極的という見方はできないが、さらに縦に踏み込んでいくプレーが逆転ゴールにつながった可能性もある試合だった。

 そうした意識は日本代表にも共通するものがある。攻撃のリズムとスタイルは異なるが、タメを作るプレーに積極的な仕掛けを加え、流れの中からゴールに直結するプレーを増やしていくことが期待される。

(文:河治良幸)

【了】

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