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アジア 6年前

兵役免除へ大きな1勝。韓国代表FWたちの揺るがぬ覚悟、イランを制しアジア大会8強へ

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

相手は苦手イラン。ファン・ウィジョが再び韓国を救う

ファン・ウィジョ
得点ランキングトップを走るファン・ウィジョ【写真:Getty Images】

 そんな泥沼の状況の中で対戦するのはイラン。決して簡単な相手ではない。韓国が一番苦手としている相手だ。A代表を含めて、韓国がイランに勝利を収めたのは2011年が最後。テヘランのアザディ・スタジアムで、レジェンドのパク・チソンのゴールによって劇的に勝ち取った勝利が最後のことだった。それ以来はイランにやられっぱなし。昨年のロシアワールドカップ最終予選での成績も1分1敗で劣勢を強いられた。

 アジア大会でイランと対戦する韓国は、守備の要であるキム・ミンジェが警告累積で出場停止。さらに前線で攻撃の活性化を期待されていたファン・ヒチャンも先発から漏れた。彼は不調が続いており、先日のキルギススタン戦ではGKをかわすもゴールを決められず。ファンからの批判でSNSを閉鎖してしまう事態に陥っていた。迎えたイラン戦では、その穴をイ・スンウが埋めた。彼にとってはこの試合が初の先発出場だった。

 序盤は韓国にとって少し詰まったような印象だった。攻撃の形を作っても、なかなか決めきることができない。イランに何回かチャンスを与えてしまう場面もあった。だが意図した形で決定機を作れていた。つまり、形としては前回の試合よりは改善していたということで、まさに求められていたFWにボールを繋げる作業であった。ペナルティエリア内で構えるファン・ウィジョを中心とし、そこにボールに届ける試みが何度も見られた。

 前半の40分、韓国の意志が実る。サイドバックからボールを受けた司令塔のファン・インボムが左サイドで守備をかわし、ペナルティエリア内で絶妙なポジショニングを取ったファン・ウィジョにパス。得点王ランキングトップを快走するストライカーはこれを冷静に決め、貴重な先制点を挙げる。韓国が望んでいた形、そのものだった。何回も相手の守備ラインを崩壊させようとしたファン・ウィジョや韓国のMFたちの努力がついに形になった。

 そして迎えた後半、またもFWが魅せる。イ・スンウが相手DFに寄せられながらも、それを置き去りにする鮮烈なドリブルの末、右足を素早く振り抜いてシュート。これがゴールに突き刺さり、待望のリードを広げる2点目となった。

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