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リバプールを“諦めさせた”アーセナル。ハイクオリティ見せるも、唯一崩せなかったあの男

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

勝ち点1でも…アーセナルの圧力が脅威に

 後半、これまで揺るがなかった試合がついに動く。61分、サディオ・マネが左サイドを突破すると、中央へ低弾道のクロスを供給。これは一度レノにセーブされるが、こぼれ球をミルナーが冷静に押し込んでアウェイのリバプールが先制に成功した。

 その後もアウェイチームはアーセナルゴールに襲い掛かる。74分、サラーのCKからフリーになっていたファン・ダイクが頭で合わせるも、再びレノの好セーブに遭い追加点とはならなかった。

 上位追走へこの試合を落とすわけにはいかないアーセナルは、アレックス・イウォビ、アーロン・ラムジー、ダニー・ウェルベックら攻撃的な選手を次々と投入。そしてウナイ・エメリ監督はなんと、イウォビを左サイドバックに抜擢したのだ。

 だが、大胆なこの采配が見事に的中し、アーセナルは待望の同点ゴールを奪う。82分、イウォビのスルーパスに抜け出したアレクサンドル・ラカゼットが飛び出してきたGKアリソンをかわしシュート。これがゴール右隅に決まった。

 しかし、アーセナルはここで手を緩めない。あくまで狙いは勝ち点3だ。同点に追いついた後でも、テンポの速いパス回しで相手DFを剥がし、ゴールへと向かう姿勢を貫いた。

 対するリバプールも、首位のマンチェスター・シティとこれ以上勝ち点差を離されたくない気持ちが強かっただろう。しかし、アーセナルに驚異的な圧力をかけられたため、勝ち点3を諦めざるを得ず、勝ち点1でも良いと判断。それを証拠に、サラーに代えジョエル・マティプを投入し、守備を固めたのだ。

 試合はこのまま1-1で終了。リバプールはリーグ戦無敗をキープ、アーセナルは公式戦無敗記録を14に伸ばした。

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