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レスター守護神、亡き会長に捧げる勝利に感無量。「本当に辛い1週間だった」

text by 編集部 photo by Getty Images

キャスパー・シュマイケル
レスター・シティのキャスパー・シュマイケル【写真:Getty Images】

 イングランド・プレミアリーグ第11節の試合が現地時間3日に行われ、レスター・シティがカーディフ・シティに1-0の勝利を収めた。レスターにとっては、悲劇的な死を遂げたクラブオーナー・会長のヴィチャイ・スリヴァッタナプラバ氏に捧げる1勝となった。

 先月27日に行われた前節の試合のあと、レスターのホームスタジアムから飛び立ったヘリコプターがスタジアム外に転落して炎上。搭乗していたスリヴァッタナプラバ氏を含む5人全員が命を落とした。

 会長の死去後最初の試合となったカーディフ戦に、レスターは1-0で勝利。試合後には、選手たちはスリヴァッタナプラバ氏の葬儀に参列するため同氏の母国タイへと向かった。

 レスターのGKキャスパー・シュマイケルの試合後のコメントを英メディア『BBC』『スカイ・スポーツ』などが伝えている。キックオフ前の黙とうの際には涙を流す様子を見せていた守護神は、「彼のために勝ち点3を獲得することができて嬉しい」と結果を喜んだ。

「ウォームアップのため出てくるのは辛かった。最初の10分間は自分を落ち着かせることができず、少し震えていた」とシュマイケル。「全員にとって本当に辛い1週間だった。それでもみんな自分たちをコントロールすることができたのは、ヴィチャイがファミリーを築いていたことの証だ」

「本当に人生に影響を受けるような人に出会うことはごくわずかだ。彼は僕の人生に大きな影響を与えた。僕らは彼と知り合えたことを心から誇らしく思っているし、彼の家族のことを考えている。僕ら全員が傷ついているが、家族の思いは想像もつかない」とシュマイケルはスリヴァッタナプラバ氏への思いを述べている。

 シュマイケルはヘリコプターの墜落現場を目撃し、搭乗者の救助のため燃え盛る炎に近付こうとして警察に制止されたと伝えられている。最も大きなショックを受けた選手の一人だったかもしれないが、カーディフ戦ではゴールを許さず亡きスリヴァッタナプラバ氏に捧げる勝利を支えた。

【了】

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