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ポテンシャルはイブラ級!? 東京五輪世代の19歳、いわきFC・小枇ランディとは何者か【いわきFCの果てなき夢】

シリーズ:いわきFCの果てなき夢 text by 藤江直人 photo by Editorial Staff

クラブ独自のトレーニングによる変化

「新潟さんに話を聞くと、気持ちが非常に優しく、人との争いごとは絶対に嫌だ、という子なんですよね。だからプレーにも波があって、いい状態が続かないのでトップチームには上げなかった、と。ただ、ポテンシャルはある。僕のなかでは、最初の1年間は試合に出なくてもいいと思っているくらいですから。生まれもったものがあるのだから、まずは体作りだと。まだまだ細いので、とことん筋肉をつける。斬新にいきたいと思っているし、どのように変化していくのかが、僕自身も楽しみなんです」

 苦笑する田村監督がランディの秘話や、育成プランを明かしてくれたのは約1年前のこと。果たして、いわきFCでサッカーを続けることを決意し、新チームが始動して間もなく練習に合流したランディは、2ヵ月ほどの間に体重が5kgも増えて90kgになった。

「体がひと回り大きくなったおかげで体幹も安定してきたからか、競り合いで踏ん張れる場面が増えてきたような気がします。以前よりもプレーの幅が広がったと感じていますけど、体重に関してはもうちょっと増やしていきたいですね。筋力トレーニングで自分を追い込んでいくのは、実は好きなんですよ。まだ成長期にあると思うので、身長も伸びていってほしいと思っています」

 ランディが笑顔でこう語っていたのは、東北社会人2部南リーグの開幕を直前に控えた4月上旬。筋力トレーニングにあてられる時間が、全体の実に60%から70%を占める――サッカー界の常識を覆し、意図的にメニューを偏らせた日々のなかで、ランディの体に予想よりも早く変化が生じ始めたからか。

【次ページ】ポテンシャルの開放
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