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逆天王山で惨敗も…「いくらでも可能性あるよ。全然、大丈夫」。原口元気が前を向く理由

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「プレーや行動の方がやっぱり大事かな」

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原口は「勇気のあるプレーが必要だ」と言う【写真:Getty Images】

 さらに背番号10は「勇気のあるプレーが必要だ」と言う。

「みんなが怖がっている中で、やっぱり自信を持ってボールを受けてターンしてボールを運んでいくとか、そういう仕事をやはり、リスクがあるけどしなきゃいけないし、バイタルでプレッシャーの速いところで受けるのは正直、嫌な感じもするけど、受けてあげるとか、そういう勇気のあるプレーが必要だと思いました。

(残りの10試合で)何か1つきっかけになる勝利によって、自分たちのポテンシャルが、今は怖がって自信がない部分がひっくり返ることが十分にあり得ると思うし。それをする手助けを勇気を持ってやりたい。

どうしてもこういう状況でプレッシャーがかかる試合で、みんながやっぱりボールを受けるのを少し怖がっているような感じはするし。受けた時にストレスを感じながらプレーしているっていうのを感じていたので、そこをちょっと頑張ってかわしてあげるとか、受けに行ってあげるとか、前のポジションでもう少し後半のように自由をもらえるんだとしたら、ポジションで助けて行きたいなと思うし、それが出来たら自分自身も、このチームに来た意味があるかなあっていうのは感じます」

 原口は、決してネガティブな雰囲気に呑まれず、客観的に現状を把握しながら、「プレー」で、「行動」でチームに「自信」を与えようと考えている。

「普段はね、切り替え早いなって思うくらいなんだけど、状況が状況だけに落ち込んでいる選手が多いなと思うし。状況が状況だけになんか怖がって自信がないなという選手がやっぱり多いので。

 うーん、だからなんだろう。『自信を持て』って言って自信を持てるわけじゃないけど、なんか声を掛けるとかって、本当にあんまり意味を感じないというか。だって俺が自信ない時に『自信持てよ』って言われても意味ないから。だとしたらチームが自信が出るプレーをするとか。行動の方がやっぱり大事かなと思うし。まあ、楽しみながら」

 そして原口は、努めて前を向いた。

「残り10試合もあるんだったら、いくらでも可能性あるよ。全然、大丈夫」

(取材・文:本田千尋【シュトゥットガルト】)

【了】

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