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リバプールに舞い込んだ奇跡的な勝利。立役者は誰? 強力3トップにプラスされた第4の矢

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

リバプールのペースが落ちず

 試合は立ち上がりからリバプールペースで進んでいた。フィルジル・ファン・ダイクの相変わらずの安定感、ジェームズ・ミルナー、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ジョーダン・ヘンダーソンの中盤トリオもしっかりとセカンドボールを拾い、そこから攻撃に繋げる形ができていた。

 そしてトッテナムにペースを握らせないまま、試合は16分に動く。ヘンダーソンが中央から左サイドのロバートソンへ浮き球のパスを出す。これを受けた背番号26は中央へ見事なクロスを送ると、これをロベルト・フィルミーノが頭で合わせ先制に成功した。

 幸先よく1点を奪ったリバプールは、その後も試合の主導権を握った。一度サイドで起点を作り、人を集めたところで逆サイドに展開。空いたスペースをサイドバックの選手やサイドアタッカーの選手が効果的に使い、そこからより多くのチャンスを生んでいた。

 一方でトッテナムは最終ラインを深い位置まで下げさせられ、良い形でカウンターを始められない。ハリー・ケインは中央でボールを受けようと試みるが、ファン・ダイクに完璧に抑えられ、徐々にサイドへと流れた。

 前線のターゲットマンが機能しなくなったトッテナムは、クリスティアン・エリクセンにボールを集める。背番号23は効果的なパスを前の選手へ供給するなど、随所で持ち味を発揮したが、ビッグチャンスを生み出すには至らない。

 シュートも前半だけで5本放った。しかし枠内に飛んだのは0本と、リバプールの脅威となることはできず。45分間は完全に後手に回っていた印象だ。

 リバプールからすれば、前半のうちに追加点を奪いたかったところだろう。ボールを奪ってから素早い攻撃に繋げる一連の流れはトッテナムの脅威になり、何度も敵陣深い位置まで侵入することができていた。

 GKアリソンのミスからピンチを招く場面もあったが、それ以外の守備はおおむね安定していた。前半こそ1-0で終えたが、その差はスコア以上に大きく見えた。

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